【日記】Alexa Skill Awards 2018に参加してきた

Alexa Skill Awards 2018で様々なスキルに関する話を聞いてきました。

Alexaスキルアワード2018受賞作品の発表 : Alexa Blogs

Alexa Skill Awardsとは

スキル(Skill)とはアレクサで動作するアプリのようなものです。

 Alexa Skill Awardsは、スキルの良さを競うコンテストです。今回のイベントでは、非公開スキルを含めた365作品から選ばれたファイナリスト24作品からプレゼンと展示が行われ、部門賞、特別賞、最優秀賞(法人)、最優秀賞(個人)が決定・表彰されました。また、各Alexaスキルアワード公式ハッカソンで受賞した作品の表彰も行われました。

Alexaスキルアワードそのものは今年が初開催です。

全体の感想

各Alexaスキルアワード公式ハッカソンからもファイナリストにノミネートがあったためか、どちらかといえばハッカソン的なノリが強かったかなと感じました。

ただ、個々のスキルはどれも個性的かつレベルが高く*1、全体でとても楽しんで見る事ができました。

面白いと感じた作品

 個人的に面白いと感じた作品を幾つか紹介します。

ゴミ丸

愛知県豊橋市のオープンデータを元にしたスキルで、ゴミの収集日や、各ゴミの分別方法を教えてくれます。例えばスプレー缶のように、何ゴミに分別していいか、どのように捨てればよいかパッと分からないようなゴミでも、分別方法と捨て方を教えてくれます。

個人的には逆引きが可能な点がいいなと思っています。ゴミの分別、調べるの滅茶苦茶面倒くさいんですよね……。

現在は豊橋市のみ対応ですが、これから対応地域をどんどん広げていく予定だそうです。東京都早く対応して欲しい。。。

ドラゴンロール 寿司屋の通訳

寿司に特化した翻訳スキルで、寿司ネタの英語読み、カタカナ読みをそれぞれ教えてくれます。利用状況としては、東京五輪で増えるであろう外国人観光客に対して寿司屋の大将が英語でネタの名前を紹介するという場面が想定されています。

個人的には『不潔なものを触れない寿司屋の大将』という利用者想定がとてもいいなと思っていて、使い勝手を見ても今すぐ全ての寿司屋に導入して欲しい気分でした。東京五輪に向け、東京の寿司屋ではアレクサが欠かせないようになっていくかもしれませんね。

緊急事態!助けて

「アレクサ 助けて」と呼びかけることで、事前に登録された連絡先に電話とSMSの発信を行うスキルです。

怪我や急病で動けないような状態ではスマートホンを用いた連絡も難しいわけで、声さえ出せれば助けを求められるというのはとても便利だと思いました。スマートスピーカーが普及すればこういったスキルが生命線になる日も近いのかなと思います。

開発チームの方々にお話を聞いたところ、「ハッカソンで作ったものであり、APIの利用料金を自分達で負担するのは難しい」ということをおっしゃっていました。個人的にはこういったスキルは行政やAmazonの方で運用してくれないものかと強く思います。

クイックちゃん

セゾン情報システムズで運用されている、マッサージの予約管理スキルです。

セゾン情報システムズでは福利厚生の一環として当日予約のマッサージ(月二回)を提供しています。このサービスは、招聘するマッサージ師の方々が全員視覚障害者であるため、順番管理には読み上げソフトを用いるなどをしていましたが、結局上手く動かなかったりと問題も多く、最終的にはヘルパーの手を借りる場面が多かったそうです。

クイックちゃんはこうした問題を解消するために作成されたスキルで、予約状況の確認や次の人の呼び出しなどを行うことができます。このスキルによって、受付可能人数の増加やヘルパーの工数削減が実現されたそうです。

個人的には、視覚障害者の自立を技術によって達成したという点がとてもいいなと思っています。

スマートスピーカー全体の動向

全体を通して、スマートスピーカーはこれからどんどん普及していくだろうと強く感じました。スマートホンほどに普及はしないかもしれませんが、それでも「手を使えない」「声だけで操作したい」という潜在的な需要は大きくあり、視覚障害を持った方々の助けにもなるため、これで普及しないほうがおかしいと思っています。

とはいえ、現状では使いにくさが多く有るとも感じています。現在のスマートスピーカーは、呪文の詠唱というか、スマートスピーカーに言うことを聞いてもらうための発言が多く必要であり、直感的ではないと思います。会場ではVUIの話も出ていましたが、『声だけで操作するためにVUIはどう在るべきか?』というのは全世界でまだ煮詰まっていない内容なのだと思います。あるいはスマートホンのように、スマートスピーカーの方が常識となっていくパターンもあるかもしれませんね。

何はともあれ、貴重なお話を多数聞くことが出来、非常に良かったです。今のところスマートスピーカー関連の開発をする予定は有りませんが、折角東京に越してきたことですし、来年も聞きにこれたらと思います。

*1:というかハッカソンからノミネートされた作品群がどれも短時間で作ったとは思えない出来でびっくりしました。自分にはああいうのを短時間で作る瞬発力が無いな。。。