読んだので、重要だと感じたポイントを幾つかまとめます。
全体を通して
サービス等の作成・運用を本格的には経験したことの無いエンジニアでも簡単に読み解くことができました。
ただUIを作るという技術的な観点だけではなく、「何故それを作るのか」「作ったものをどのように運用・改善していくのか」といった部分について丁寧に書かれていた点が良かったです。
ものづくりというのは、自ら得た情報や外部の情報を統合・分析し、どのような対策が有効かを可視化した上で行われるプロセスで、当然ものづくり以前のプロセスに破綻が有れば作ったものは無駄になってしまいます。このことについてはボンヤリと意識していましたが、この本を読んでその意識がより明確になりました。
Webサイトの目標
Webサイトに限った話では有りませんが、どのような規模の組織でも「まず達成すべき目標を理念にそって立て、次にそれを達成するために重要となる指標を可視化する」という手順を必ず踏んだほうが良いと感じました。
まずどこを目指すかを決め、その上で具体的な数値をどう変化させるのか、という目標を立てていく形を取らなければ、何のためにそれを作り、運用していくのかという軸がブレるだけでなく、作った後の検証も、検証結果からものづくりへの反映もできなくなるからです。
特にWebサービスを作るというのは自由度の高い作業で、それはやろうと思えば幾らでも何でもできてしまうという危険性が有ります。だからこそ、検証とそれができる環境づくりが大切なのだと思います。
ユーザーに気付いてもらう/動いてもらうための工夫
Webサービスは特に動的なものであるため、ユーザーに気付いてもらったり動いてもらったりするための工夫が必要だと感じました。
全体的には、ユーザーというか、人間がどんな動きをするか、どんなことができない/できるかを突き詰めて考えることでUIが洗練されていくなと感じました。
気付いて貰うためのページ/画面デザイン
ページ/画面全体のデザインとして、Webサイトなどを閲覧する時、文字を左上から右へ、次に下に下がって……と読むことから、人の目の動きはF字型になるため、これに配慮したデザイン(左上に最も注目して欲しい内容を表示するなど)を取り入れたデザインをするべき、ということを学びました。
これは例えば右から文字を書く文化では変動するのかもしれませんが、見て欲しい場所を見てもらうための工夫は重要だと思います。
UIパーツの動き
以下の2点が重要だと感じました。
- 操作範囲が適切に広い、当たり判定が見やすいなど、操作がやりやすいこと
- 操作前、操作可能、操作した、など、それぞれの状態に合わせてに特定の動きを付けることで、何を操作したことが伝わりやすいこと
ただ、この辺りは既製品として既に用意されている場合が増えてきたので、使い方の方が重要なのかなとも思います。
レイアウトパターン・アンチパターンを知る
これはざっくりですが、表現したいもの・扱うものなどの場面に合わせ、これが使いやすい/使いにくいというパターンが結構明確になっているようです。自分はまだ本格的にUIを作るような仕事には携わっていないので使わないので覚えられていませんが、ものづくりの中で覚えていこうと思います。