考えたこと
— wrongwrong (@wrongwrong16337) 2018年4月17日
戦って勝つ状況作りには1.既存の状況内で自分を強くする2.自分に有利な状況を作る3.別次元から襲うの3種類の観点が有る
1は訓練で、2は戦略と戦術で、3は技術開発によって達成される
コスト配分の重要度は1<2<3
特に現代戦では技術によって2次元3次元違うのが当然なので相当の努力が必要
ツイッタで書いたことを、日本の現状やらの下りは抜きでもう少し掘り下げたくなったので書きます。
書きにくかったので断定口調としましたが、全部自分で思ってるだけのことです。
戦って勝つ強さ・強みの作り方
冒頭のツイートの通り、戦って勝つ強さ・強みの作り方は以下の3つのレベルに分かつことができます。
- 既存の状況の中で強くなる
- 自分に有利な状況を作る
- 別次元から襲えるようにする
1.既存の状況の中で強くなる
1は筋トレをする、道具を上手く使えるようになるといった、行動によって状況を作るレベルとします。
2.自分に有利な状況を作る
2は戦略や戦術を導入するやり方です。理論の下に行動を体系化し、「何をどのようにどうするとどうなる。だからこのように行動する」までを実現するというレベルです。
3.別次元から襲えるようにする
3は何か新しい物を作る、新しい何かを用いて問題を解決するなど、相手が予想できない所から成果を引き出すことで状況を作るレベルとします。このレベルは、最近よく耳にするイノヴェーションそのものです。
それぞれの実現に必要なコストと効果
それぞれの実現に必要なコストは1<2<3の順に並びます。
1のレベルは単純に行動するだけで達成ができるものです。2のレベルは行動の前に前提となる知識・情報を集めて正しく分析し、正しく行動することで達成できます。3のレベルは、2のレベルを何度も実行した中から新しい事実を発見し、更にその事実に対して2のレベルを正しく実行することで実現できます。
それを実現したときの効果の大きさは1<<2<<3の順に並びます。
ツイートにおいてコストを掛ける優先度は3が一番高いとしたのは、高いレベルを実現するほど戦闘力が跳ね上がるからです。ただし、例えば3のレベルのみに投資し、1や2をおろそかにしてしまえば、結局3が起きなくなる(後述する新奇化が起こってしまい、最終的に相対的に高いレベルに到達できない)状況が発生することも有るでしょうから、どれかだけに投資すれば良いということではありません。
どこまでが人の手の内か
これら3つのレベルの内、人間の手によって制御が可能なのは2まででしょう。体を鍛えたり、戦略や戦術を考えることと違って、他者に差を付けられるような新しいものが自分たちに予想できるはずが無いからです。
一方最近では、その不確実さを許容しつつ新しいものが生まれやすい環境を作る、確率を高めるようなやり方が世界的に戦略として取り入れられつつあると感じます。
陳腐化・新奇化
2,3のレベルでは、それが一般化した場合効果が低下します。これを陳腐化とします。
例えば金属は、実用化当時は3のレベルに属していたものです。しかし、それは現在では当たり前のものになりました。少なくとも現在の青銅や鉄には戦場を一変させるほどの力はありません。
2のレベルのものが陳腐化した例としてはデータ分析が挙げられるでしょうか。現在企業の中で顧客や売り上げに関するデータを集め分析することは当然のように行われており、ただデータを集め分析するだけでは2のレベルとしての効力は発揮されなくなっています。
陳腐化とは反対に、一度陳腐化していたものの希少性が上がる、あるいはそもそも無くなることによって効果が増す場合が有ります。これを新奇化とします。最も良い例はローマ文明とルネサンスでしょうか。
あるいは世界が発展する中で取り残されるようなことがあれば、周囲では陳腐化しているものがその地域では絶大な効果を発揮する、新奇化が起こるということも有り得ます。
レベルの昇華
1,2のレベルを突き詰めることによって上のレベルと同等の効果が発揮される場合が有ります。これをレベルの昇華とします。
スパルタ兵は極めて精強な兵となるよう育てられ、数の差、戦略を何度も覆しました。日本軍も、超人的な技量・能力を突き詰めることによって、開戦当初はアメリカ軍を相手に兵器の性能を超えた無双の活躍を見せました。これは個々人の能力そのものが戦術・戦略のレベルまで昇華した例でしょう。
一方、この昇華を意図的に起こしたり、起こってしまった昇華の状態を維持しようとすることはあまり良くありません。レベルの昇華はあくまで属人的で再現性の無い状態になりやすい、相手に3のレベルを実現され、前提を崩された際に対応が難しい、更に新しいものを実現するための投資を怠った状況となる、などが理由です。
別の記事に絡めた言い方をするのであれば、下のレベルを突き詰めて上のレベルを目指すやり方はすなわち帰納的な手法であり、この手法は問題の規模や問題そのものの変化に対応することが難しいということには歴史的な説得力があります。
まとめ
これ以上書くと本題がブレブレになるのでまとめます。この記事では戦って勝てる強さ・強みを3つのレベルに分け、それぞれの関係や動きについて考えました。この3つのレベルでの考え方は組織、個人問わず様々な規模・場面に応用していけるのではないかと勝手に思ってます。